診療圏域としては、湖北、湖東地域が主ですが、県内の広い地域、および時には県外からも母体搬送、病的新生児の搬送を受け入れています。また必要に応じて24時間体制で、当院の救急車や行政の救急車での新生児搬送や、当院が満床、もしくは受け入れ困難な場合でも治療可能な施設への搬送(三角搬送)を独自に行い、地域の産科診療所との連携を密にしております。「新しい家族を地元で出産し、子育てを地域で支える」をモットーに、充実した新生児医療体制を提供するため努力しています。
当院では新生児の治療のみならず、新しい家族である赤ちゃんを中心とした家族全体をサポートできるよう心がけています。母乳育児の推進、カンガルーケアやディベロップメンタルケアの推進、実施など、病的新生児に対する高度な看護業務を、「新生児集中ケア認定看護師」を中心に行っております。
また診療業務だけではなく、新生児医療の知識の普及も積極的に行っております。新生児蘇生法(NCPR)講習会を定期的に開催し、周産期・新生児医療関係者のレベルアップに貢献しております。滋賀県だけでなく、近畿・東海をはじめ全国から受講生が集まり、毎回キャンセル待ちがでるほど盛況です。回を重ねる毎に講習会はブラッシュアップされ、得られたノウハウを元に、地域の産科診療所での出張講習会・勉強会の開催や、他府県での講習会への技術提供・共同開催にも積極的に取り組んでおります。
このように、医学、医療の双方から、湖北・湖東だけでなく、滋賀県、全国の周産期・新生児医療の充実に貢献していきたいと考えています。
けいれんや意識障害を訴えて来られる熱性けいれんおよびてんかん、脳炎・脳症の多くの患児に加え、Sturge-Weber症候群や結節性硬化症などの神経皮膚症候群、モヤモヤ病などの脳血管異常、副腎白質ジストロフィーなどの神経変性疾患(代謝異常症)、筋ジストロフィーや重症筋無力症などの筋および神経筋疾患に対し、先端の診断・治療(CT、MRI、アンギオ、DSA、SPECTなど)を行っています。
学校心臓検診に対し一次検診から関与し、精密検査が必要な患児に対しては心エコー、トレッドミル、ホルター心電図、心筋シンチ等を施行し診断を行っています。また、先天性心疾患および川崎病の一部患児に対して心臓カテーテル検査を施行しています。心雑音やチアノーゼ、呼吸障害、心拡大を呈する未熟児・新生児に対し心エコーを行い、心疾患の早期発見・診断に努めています。手術待期中の重症児や手術適応外の心不全のコントロールを行い、手術適応外のチアノーゼ性院疾患に対しては在宅酸素療法をも施行しています。川崎病に対しては最新の治療を施行し、急性期のみならず、その後の経過を長期にわたって詳細に経過観察しています。
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