脳卒中の危険因子のうち高血圧は最大の危険因子で、収縮期血圧10mmHgの上昇は、15-20%の脳卒中罹患、死亡の危険度を増す強さがあります。
脳卒中や心筋梗塞、心突然死は早朝から正午までの午前中に発症しやすく、朝の血圧との関係が示唆されます。早朝血圧を評価することは、これら疾患の発症抑制のために重要と考えられています。家庭で血圧を測ることによって得られる時間的情報は、外来では得ることはできません。
血圧についての状況調査から、高血圧治療中の患者のおよそ60%が早朝高血圧で、また外来血圧が正常範囲であっても早朝の家庭血圧が高い場合(仮面高血圧)がおよそ20%に認められることがわかりました。外来で測定するだけでは、早朝高血圧を把握することはできず血圧が正常化していない場合があります。
家庭血圧について啓蒙活動を行う前に、家庭血圧計について外来でアンケート調査を行いました。86%で家庭血圧計を保有していましたが、そのうちの70%は持っているだけで使われていませんでした。また、測定されている場合でも医師に測定値は見せたことはなく、測定条件もまちまちでした。普及しているが使われていない機械といえます。
週末だけ、外来受診前の数日間など、続けて測定できるような工夫を要します。
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